美味しいお米が出来るまで
我が家の米作りを紹介いたします。
3月
雪も溶け暖かくなると、いよいよお米作りが始まります。
あぜを直したり機械を整備したり細かな作業が始まります。
4月初旬
塩水選(えんすいせん)
籾(もみ)を塩水に漬けて状態の良い籾を選び出します。
我が家では通常よりも高い塩分濃度で選別して、より良い籾のみを使用しています。
種籾はJAで買うのですが、浮いた籾は捨ててしまうので割りに合いませんが美味しい米作りの為には仕方ありません。
良い苗作りが美味しいお米を作ります。
微生物消毒
苗の病気を防ぐ消毒をしてから約2週間籾を水に漬けて発芽の準備をします。
今年は特別栽培米の認可を取ったので、微生物消毒に変えました。
4月下旬
籾撒き(もみまき)
育苗箱に籾を均一に撒きます。
撒いた籾に土を掛けて行きます。
我が家では、120箱の苗を作ります。
育苗箱を苗代に入れます。
保温の為にシートを掛け、両端を開け閉めして温度管理します。
毎朝、毎晩の温度管理が重要です。
この頃になると家の前の公園の桜も満開です。 😛
苗作り
苗の生育を見ながら温度管理と水管理を続けます。
無事に育つとホットします。
今年も良い苗に育ちました。
5月中旬
代掻き(しろかき)
荒代掻きと植代掻きの2回行います。8か月ぶりに田んぼに水が入ります。
①荒代掻き(あらじろかき)
田に水を入れて肥料を撒いてからトラクターで荒く耕します。
②植代掻き(うわじろかき)
3~4日後に更に丁寧に耕します。
土を平らに均す事がポイントです。
田植え
苗が育ち代掻きができたら、いよいよ田植えです。
周りは手で植えます。
娘や孫達が手伝いに来てくれます。 🙂
令和1年に乗用の4条植え田植え機を買いました。
田植えが少し楽になりました。
6~8月
稲の成育
苗もやがて大きな株となり穂が実りだします。
株が大きくなると風通しが悪くなり病気が発生しやすい環境になるので畦の草刈が不可欠です。
稲刈りまでの間、毎日水の管理をして稲の成育を見守ります。
浅水、深水、中間干しなど時期と気候によって水の量を調整しています。
除草剤等の農薬に関しては、我が家では
特別栽培米の県の認可を取りました。
田畑にキジやカルガモが遊びに来ます。田舎ですねえ…
8月初旬には穂が出てきます。
今年は数日遅い出穂でした。
8月下旬にはおじぎをするように穂が垂れてきました。
いよいよ収穫の時期です。
9月中旬
稲刈り機で刈り取ってはざに掛けます。
全部刈るまでに丸5日掛かります。
今では少ない「はざ掛け」風景です。
稲を運んではざに掛ける作業は中々の重労働です。
娘たちが手伝いに来てくれます。 😀
はざ掛けとは?
刈った稲を「はざ」に掛けて2週間程度天日で自然乾燥させます。
今では、稲刈りと言えばコンバインで稲刈りと脱穀をして乾燥機で乾燥させるのが主流になっていますが、我が家では昔ながらの「はざ掛け」をして天日干しで自然乾燥させています。
稲は重く、干すのも人手を必要とする大変な重労働です。
今では、はざ掛けの風景も中々見られなくなってきました。
しかし、「はざ掛け米」の美味しさを残していきたくて、手間を惜しまず続けています。
アルプスに囲まれた伊那谷の風と太陽の恵みをたっぷり受けてゆっくりと乾いていくうちに稲の葉や茎に残っている養分がお米一粒一粒に行き渡りさらに美味しいお米に仕上がります。
その美味しさは科学的にも立証されています。
「はざ掛け米」は全国的にも少なくなりブランド化され希少米として流通しています。
脱穀(だっこく)
2週間くらいして水分量が15%以下になったら、いよいよ「脱穀」をします。
乾燥させた稲から籾を取り出します。
ハーベスタという機械です。
農業は多くの機械が必要で経費が掛かります。
籾を取った後の藁は、刻んで田んぼへ戻します、有機肥料として活用します。
臼挽き(うすひき)
籾から籾殻を取って玄米にする作業です。
脱穀した籾を臼挽き機に入れます。
籾を剥がしていき玄米となります。
玄米を袋に詰めます。
1袋30Kg(2斗)に詰めます。
右側の機械に選別網が入っていて小粒な米(青米、未熟米)を選別します。
通常は1.80~1.85の網目ですが我が家では1.90と2.10の網目で選別してすべてのお米を上米に揃えます。
(中米も美味しいのですが炊き上がりがベチャっとしてしまいます)
作業が終わる頃には外は暗くなっています。
孫達も腹ペコです。 😉
収穫した玄米は、お米用の冷蔵庫と土蔵に入れて保存します。
玄米で保存して食べる分だけ精米します。
お米の鮮度は精米した時から日に日に落ちて行きます。
1か月以内(出来れば2週間ほど)に食べきれる分だけを精米するといいですね。
お米専用の冷蔵庫です。
この他にも土蔵があります。
年間契約用のお米は長期保存が必要となるため専用の長期保存用米袋に入れ、春先までは土蔵に入れ5月から冷蔵庫に移して保管しています。
美味しさをいつまでも!
11月
収穫が終わった田圃には、もみ殻を焼いて稲わらをすき込んで来年の準備をします。
稲わらは、有機肥料として有効に使います。
12~3月
12月から3月までの間は、農作業も一休みです。